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軸の制御権

ロボットや付加軸を操作するときに、命令するもとは一つでなければなりません。各軸への命令が重ならないように、あらかじめ制御権を取得したタスクのみがその軸を制御できます。

ロボットや付加軸を動作させたいときは以下の手順で実施します。

  1. モータの電源を入れる。"Motor"参照
  2. プログラムを実行する。
  3. 実行したプログラムが軸の制御権を取得する。
  4. 動作命令を実行する。"動作ステートメント"参照
  5. 軸の制御権を開放する。
  6. モータの電源を切る。"Motor"参照

ロボット動作に関わるコマンドの多くは対象となる軸の制御権を取得しないと実行できません。

制御権の取得

制御権はTakeArmコマンドで付加軸のアームグループ登録を指定することで取得できます。

指定したアームグループ内に他のタスクで制御権を取得されている軸がある場合は、そのアームグループの制御権は取得できません。

一つのタスクが複数のアームグループの制御権を取得することはできません。現在制御権をとっているアームグループを再度TakeArmした場合は無視されます。

制御権の開放

タスクが消失すると、そのタスクが取得していた軸の制御権も開放されます。

また、GiveArmコマンドを使用して現在取得しているアームグループの制御権を明示的に開放することもできます。

軸の制御権を持つタスクが、一時停止状態やステップ停止状態になったときは、制御権を開放しません。

制御権の取得が必要なコマンド

次のコマンドは軸の制御権を持たないと実行できません。

ロボット軸を含むアームグループの制御権の取得が必要なコマンド

コマンド名 機能
Move ロボットを指定座標へ移動します。
Approach 基準位置から指定距離離れたアプローチ位置へ移動します。
Depart 現在位置からツール座標-Z方向に移動します。
ArchMove アーチモーションします。
Draw 現在位置からの相対位置に移動します。
Rotate 指定した軸回りの回転動作をします。
RotateH アプローチベクトルを軸とした、回転動作をします。
ChangeTool 現在のツール座標系を変更します。
ChangeWork 現在のワーク座標系を変更します。
Payload 内部負荷条件の設定値を変更します。
SpeedMode 最適速度制御機能の設定を変更します。
GrvCtrl 重力補償制御機能の有効/無効を操作します。
GrvOffset 重力オフセット設定機能の有効/無効を操作します。
Arrive 現在動作中の動作命令が指定した動作完了割合に達するまでタスクを待機します。
Interrupt I/Oの割り込みスキップ信号がOnのとき、Interruptのブロック内の動作命令をスキップします。またロボット動作中の場合は動作を中断し、スキップします。
Tool ツール座標値を設定します。
Work ワーク座標系を設定します。
SrvUnLock 指定した軸をサーボロック解除状態にします。
CrtMotionAllow Move @Cで、停止判定に使用する、手先の「停止位置精度、姿勢精度」を変更します。
EncMotionAllow Move @Eで、停止判定に使用する、ロボット軸の各軸の「停止時許容角度」を変更します。
ForceCtrl 力制御機能(コンプライアンス機能)の有効/無効を設定します。
SingularAvoid 特異点回避機能を有効化、または無効化します。
ZForce Hシリーズロボットの第3軸(Z軸)の電流制限機能を推力で指定します。

指定する軸を含むアームグループの制御権の取得が必要なコマンド

コマンド名 機能
Speed 内部速度を変更します。
Accel 内部加速度、内部減速度を指定します。
Decel 内部減速度を指定します。
Drive 各軸を相対位置に移動します。
DriveA 各軸を絶対位置に移動します。
CurLmt 電流制限機能の設定と有効/無効を操作します。
Eralw 偏差許容機能の設定と有効/無効を操作します。
EncMotionAllowJnt 軸の停止時許容角度設定を変更します。

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