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到達位置の確認方法
ロボットアームが、一つの動作から次の動作へと移る場合に、初めの動作の完了を判断する方法が3種類あります。それぞれ、パス動作、エンド動作、エンコーダ値確認動作といいます。各動作について、以下に説明します。
パス動作
ティーチングされた動作位置、または相対位置の近傍を通過する動作をパス動作といいます。
すべての動作コマンドで、パス開始変位量を「@P」または「@[数値(数値>0)]」と指定することにより、パス動作を行なうことができます。
エンド動作
ティーチングされた動作位置、または相対位置へ到達する動作のうち、サーボ系への指令値が目標位置に一致したときに、目標位置に到達したと判断するものを、エンド動作といいます。
すべての動作コマンドで、パス開始変位量を「@[0]」と指定することにより、エンド動作を行なうことができます。
エンコーダ値確認動作
ティーチングされた動作位置、または相対位置へ到達する動作のうち、エンコーダ値より算出した現在位置が目標位置に対し、指定値以内に入ったときに、目標位置に到達したと判断するものを、エンコーダ値確認動作といいます。
エンコーダ値確認動作には次の2つがあります。
各軸位置の確認動作
各軸毎の位置で到達を判断します。すべての動作コマンドでパス開始変位量を「@E」と指定します。指定値は各軸ごとにプログラム中で変更できます。
使用条件一覧の「172~179 各軸エンコーダ値確認動作停止判定モード」の設定が初期値の「0:即時判定」の場合、エンコーダ値が指定値以内になるとすぐに到達したと判断しますが、このときロボットはまだ微小動作しています。@Eで停止している判断が必要な場合は、このパラメータを「1:速度判定」に変更する必要があります。
手先の位置と姿勢の確認動作
手先の位置と姿勢で到達を判断します。全ての動作コマンドでパス開始変位量を「@C」と指定します。指定値(X、Y、Z座標とX軸回り、Y軸回り、Z軸回りの回転角度)をプログラム中で変更できます。
- エンコーダ値が目標位置に対し、指定角度以上ずれていると、到達したことにはならず、次へ進めなくなります。指定角度を小さくした場合や負荷が大きい場合などは、偏差量が大きくなり、動作時間が伸びてタイムアウトが発生する場合があります。
- マシンロック運転中は「@E」「@C」指定された動作はすべて「@[0]」で動作します。したがって、表示されるプログラムの実行時間が、実際に動作させた場合よりも短くなります。
- 到達位置の確認方法を記述しない場合は、パス開始変位量にエンド動作「@[0]」が自動的に設定されます。
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