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ロボット軸無限回転機能
機能概要
6軸ロボットの先端軸(6軸)は、通常他の軸と同様に、ソフトウェアリミットで可動範囲が制限されています。この機能を有効に設定すると、ソフトウェアリミットが解除され、同一方向に連続回転することができます。
磨き動作などのアプリケーションに利用できます。
この機能はVer.1.6.*から使用可能です。
対象ロボット
以下のロボットで使用できます。ただし、「通信ケーブルフランジ仕様-A」には使用できません。
ロボット | 軸 |
---|---|
VS-050/060/068/087シリーズ | 6軸 |
使用方法
ティーチングペンダントで、使用条件一覧のNo.149「ロボット軸無限回転(J6)」を“1”または“2”に変更します。
値 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
0 | 無効 | 初期値 |
1 | 有効 | - |
2 | 有効 | ロボット停止時に自動で現在角度を±360(deg)以内に変更 |
使用条件一覧の変更方法は、ティーチングペンダント操作ガイドの「使用条件の表示・設定」を参照してください。
力センサ有コンプライアンス機能が有効の場合、値を2にしても、ロボット停止時に自動で現在角度を±360(deg)以内に変更する機能は働きません。
最大角度とPosClr
最大角度まで回し続けるとロボットが停止します。最大角度に到達する前に、Posclrコマンドを実行してください。
Posclrコマンドを使用すると、モードに応じ、下表のように現在角度を変更することができます。詳細はプログラマーズマニュアルのPosclrを参照してください。
モード | 内容 |
---|---|
0 | ロボット軸使用不可 |
1 | 現在角度を±360(deg)以内にする |
2 | 現在角度を±180(deg)以内にする |
3 | 現在角度に設定した角度(deg)を加算する ただし、計算結果は360(deg)の倍数に自動変換される |
モード3の場合の例を下表に示します。
記述例 | 実行結果 |
---|---|
|
6軸現在角度に0(deg)加算 |
|
6軸現在角度に360(deg)加算 |
|
6軸現在角度に360(deg)加算 |
|
6軸現在角度に0(deg)加算 |
|
6軸現在角度に-360(deg)加算 |
注意事項
- 「ロボット軸無限回転(J6)」を"2"の設定にして軸を回転させた場合や、Posclrコマンドを実行した場合は、CALSET値が書換えられます。CALSET値書換え後に、あらかじめWINCAPSIIIでバックアップしておいたプロジェクトをコントローラに送信すると、CALSET値はバックアップ時の値に戻るため、角度が、プロジェクト送信前と異なった値になる場合があります。
- 「ロボット軸無限回転(J6)」が"2"、またはPosclrのモード1で、現在角度が360(deg)の倍数の場合、通常は0(deg)に変更されますが、内部の演算誤差により、360(deg)に変更される場合があります。-方向の360(deg)の倍数の場合は、同様に-360(deg)に変更される場合があります。そのため、直後の動作命令では、意図しない動作になることがありますので、ご注意ください。
- Posclrのモード2で現在角度が180(deg)+(360(deg)の倍数)の場合も、同様に、通常は180(deg)に変更されますが、-180(deg)に変更される場合がありますので、ご注意ください。
- 現在角度や目標角度が6軸形態Triple(360(deg)<θ6またはθ6≤-360(deg))の場合、CP動作を実行すると指令速度過大エラーが発生する場合があります。その場合、実行前にPosClr命令を実行したり、PTPでの動作であれば回避できることがあります。
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