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負荷推定機能

負荷推定機能とは、ロボットに特定の動作を行わせることで、先端負荷の質量と重心、重心イナーシャを推定する機能です。この機能は簡単設定の「先端負荷質量」と「先端負荷重心」および「負荷重心イナーシャ」の入力時に使用することができます。
Ver.2.1.*から有効です。

  • 電流制限機能(CurLmt、ZForce)、サーボロック解除(SrvUnLock)、重力補償補正機能(GrvOffset)と同時に使用しないでください。
  • セーフティモーションの監視機能を無効にしてください。無効にしないとエラーが表示されます。
  • 測定結果は実際の値と異なる可能性があります。CADや計算等で先端負荷の正確な値が分かる場合は、負荷推定機能を使用せずに、その値を使用してください。

Ver.による違い

手動モードで使用できます。

Ver. 測定対象 ロボット
先端負荷質量 負荷重心位置 負荷重心イナーシャ HSR HSA1 VS-050/060
2.1.* - - -
2.2.* - -
2.3.*

注:◯印は使用可能

  • Ver.2.3.* からは、簡単設定画面で自動測定ボタンを押すと、自動測定画面に切替わります。
  • VS-S2には対応していません。

測定時の動作概要

測定対象に応じて、1~3通りの動作経路でロボットが動作します。
各動作経路で低速動作と高速動作を行うため、低速動作時に設備との干渉がないかを確認してください。
高速動作時の外部速度と加速度は下表になります。
低速動作時は、高速動作時の10%の速度、加速度で動作を行います。

機種名 測定項目
先端負荷質量 負荷重心位置 負荷重心イナーシャ
HSA1 30% 50% 30%
HSR 30% 70% 30%
VS-050/060 1% 1% 50%

測定動作中は、フランジ(メカニカルインタフェース)およびTCP点において250mm/sを上回る速度になる場合があります。

測定時の最大移動量

測定時はロボットが自動で動作します。

各ロボットにおける開始位置からの最大移動量を下表に示します。

(*):+方向に移動後、もとの位置に戻ります。

HSR、HSA1シリーズ

先端負荷質量

動作軸 動作1 動作2 動作3
動作開始位置 移動量 動作開始位置 移動量 動作開始位置 移動量
J3 現在位置 20mm - - - -

負荷重心位置

動作軸 動作1 動作2 動作3
動作開始位置 移動量 動作開始位置 移動量 動作開始位置 移動量
J1 -40° 40° -40° 40° - -
J2 -40° 40° -40° 40° - -
J4 90° - - - -

負荷重心イナーシャ

動作軸 動作1 動作2 動作3
動作開始位置 移動量 動作開始位置 移動量 動作開始位置 移動量
J4 現在位置 15° - - - -

VSシリーズ

先端負荷質量

動作軸 動作1 動作2 動作3
動作開始位置 移動量 動作開始位置 移動量 動作開始位置 移動量
J3 90° - - - -
J5 - - - -

負荷重心位置

動作軸 動作1 動作2 動作3
動作開始位置 移動量 動作開始位置 移動量 動作開始位置 移動量
J5 - -
J6 90° -

負荷重心イナーシャ

動作軸 動作1 動作2 動作3
動作開始位置 移動量 動作開始位置 移動量 動作開始位置 移動量
J4 90° - 90° - -
J5 20° 20° 90° -
J6 90° - - 20°

操作方法

各測定の操作方法は下記を参照してください。

  • 自動測定を行う際は、先端負荷質量→負荷重心位置→負荷重心イナーシャの順番で測定を行ってください。順番が異なると正しい測定値が得られない可能性があります。
  • 先端負荷質量、重心位置、重心イナーシャの計算値が分かる場合、その値を設定してください。自動測定を行なう必要はありません。

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