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ID : 2001

使用上の注意

制約事項

協調機能の制約について説明します。

併用禁止の機能

マスタ・スレーブ間の通信に影響を与える下記の機能は、協調機能と一緒には使用できません。

  • コンベアトラッキング(付加軸トラッキングを含む)、円形トラッキング
  • 力覚センサ

使用できない機能

通信の遅延により性能は保証できない機能
  • センサ無コンプライアンス
  • エリア、衝突検知、サーボログ
スレーブコントローラに直接アクセスする機能
  • Detect, AngularTriger, Intterupt
  • スレーブのI/Oアクセス
  • WINCAPSIII、EMUの送受信以外の機能
  • ORiNによるスレーブコントローラアクセス
  • CALSET、軸設定

EtherCAT 使用時

EtherCAT を使用する場合は、上記「併用禁止の機能」、「使用できない機能」のうち、下記の機能は使用できます(いずれもロボットコントローラのソフトウェアバージョンが、2.5.*以上であることが必要)。

  • 力覚センサ
  • センサ無コンプライアンス(2台協調時のみ使用可)
  • エリア、衝突検知、サーボログ

連続動作時の注意

協調動作・同期動作を連続して長時間行う場合は、10分間に100ms程度の停止時間を入れてください。
ロボット間の同期はロボット停止中に行っています。協調動作・同期動作のみを連続実行し続けると、同期が取れなくなりエラーが発生します。

協調動作・同期動作の連続プログラム例

下記の様に協調動作・同期動作のみを実行し続けると、エラーが出る可能性があります。

Sub Main
  
  While( 1 )
    
    SyncTime ( Robot0.Move P, @0 P1 ), ( Robot1.Move P, @0 P2 ) 
    SyncTime ( Robot0.Move L, @0 P3 ), ( Robot1.Move L, @0 P4 ) 
    SyncTime ( Robot0.Move L, @0 P5 ), ( Robot1.Move L, @0 P6 ) 
    Robot0.Move L, @0 P7, syncmove = 1
    
  Wend
  
End Sub

連続ではないプログラム例

操作待ち等によりロボットが停止する瞬間があれば、問題ありません。

Sub Main
  
  While( 1 )
    
    SyncTime ( Robot0.Move P, @0 P1 ), ( Robot1.Move P, @0 P2 ) 
    SyncTime ( Robot0.Move L, @0 P3 ), ( Robot1.Move L, @0 P4 ) 
    SyncTime ( Robot0.Move L, @0 P5 ), ( Robot1.Move L, @0 P6 ) 
    Robot0.Move L, @E P7, syncmove = 1
    
    Set IO64 'HandIO 64番をON
    Delay 100 'ハンドのチャック待ち
    
  Wend
  
End Sub

連続ではないプログラム例

協調動作・同期動作以外の動作が途中に挿入される場合は、問題ありません。

Sub Main

  While( 1 )

  SyncTime ( Robot0.Move P, @0 P1 ), ( Robot1.Move P, @0 P2 ) 
  SyncTime ( Robot0.Move L, @0 P3 ), ( Robot1.Move L, @0 P4 ) 
  SyncTime ( Robot0.Move L, @0 P5 ), ( Robot1.Move L, @0 P6 ) 
  Robot0.Move L, @E P7, Next
  Robot1.Move L, @E P8 

  Wend

End Sub

その他の注意事項

  • 動作軌跡上の精度を保証する機能ではありません。ロボット自身が持つメカニカルな誤差や、ロボット間の座標等様々な要因により差が発生します。
  • 動作タイミングを一致させる機能ですが、通信のタイミングにより誤差が発生する場合があります(最大16ms)。
  • 非常停止時およびレベル4以上のエラー発生時には、全ての軸が最大減速で停止します。協調同期動作時の相対位置及び同期は保証されません。
  • マスタコントローラは、電源立ち上げ時にスレーブコントローラとの通信を確立しようとします。このことについて、以下の内容に気を付けてください。
    電源の立ち上がり時間 協調機能を使用しない時に比べ、マスタコントローラが通信を確立するための時間だけ、電源の立ち上がり時間が長くなります。通信を確立するための時間は、ロボットコントローラどうしの通信方法によって変わってきます。
    ロボットコントローラどうしの通信方法 時間
    Ethernetのみを使用 Ethernetの通信確立時間 T1
    EthernetとEtherCATを併用 外部付加軸を使用しない T1 + EtherCATの通信確立時間 * スレーブコントローラの台数 T2
    外部付加軸を使用する T2 + 外部付加軸との通信確立時間 * 外部付加軸の数
    電源の立ち上げタイミング マスタコントローラは、通信を確立し始めてから一定時間過ぎても通信が確立できないと、エラーを発生します。エラーが発生しないようにするためには、マスタコントローラとスレーブコントローラの電源立ち上げタイミングを、できる限り合わせてください。それでもエラーが発生する場合は、マスタコントローラのエラー発生までの待ち時間を増やしてください。待ち時間の設定方法は"マスタコントローラの協調設定"を参照してください。
  • ティーチングペンダントを外した場合は、ダミーコネクタをつけてください。未装着の状態では、非常停止が解除できません。
  • 協調機能を用いて複数台のロボットで剛性の高いワークを把持、移動させる場合は、ワークの寸法精度、ティーチング精度等により、ロボットに過大な負荷(特に先端軸)がかかり、過電流異常、過負荷異常等が発生することがあります。
    ワークを把持する際に、電流制限機能を用いて、過大な負荷がかからないようにしてください。
  • 次の(1)または(2)の条件に合う軸を使用する場合、その軸に対しては、ロボットコントローラの電源を立ち上げるたびに、最初にPosClrコマンドを実行するようにしてください。
    (1) スレーブコントローラにつながっている付加軸であり、右の[共通条件]にあてはまる軸

    [共通条件]

    "自動POSCLR"の設定が有効になっていない、無限回転軸

    (2) スレーブコントローラに割り付けられている外部付加軸であり、右の[共通条件]にあてはまる軸

    上記内容を実施しない場合、正しく動作しません。
  • EtherCAT通信のエラーが発生した場合は、EtherCATで接続されているすべての機器とロボットコントローラの電源を再投入してください。
    cifXボードがエラーを検出しているといったエラーが発生している場合、EtherCAT通信のエラーが原因である場合があります。その場合もEtherCATで接続されているすべての機器とロボットコントローラの電源を再投入してください。

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