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作業上の注意1
動作中のロボットに接触すると重傷を負う恐れがありますので、必ず以下のことを守り、以降の注意に従って作業を行なってください。
- ロボット運転中およびモータ電源が入っているときは、絶対にロボットの可動制限領域に入らないでください。
- 異常処置等のため、ロボットの可動制限領域に立ち入る場合は、非常停止装置を作動させる等により、ロボットのモータ電源を必ず切ってください。
- ティーチングや保守点検等のためやむを得ずロボットの可動制限領域内で、運転を伴う作業を行なう場合、必ず「可動制限領域内で作業を行なう作業者の安全確保」に示す措置を講じてください。
ここで"作業"とは、特に指定がない場合は、ロボットの搬送、設置、ロボット設備の組立(電気配線、ツール・ハンド組付け、エア配管)、調整、異常処置、保守点検、清掃などの作業すべてを含みます。
防護具の着用
- 当作業に従事する作業者はヘルメット、安全靴、安全めがね等の防護具を着用してください。
- グリスを扱う場合は、皮膚や目につかないよう、手袋や安全めがね等の防護具を着用してください。
運搬・設置作業の注意
- 一人での作業が許可されている軽量小型のロボットを除き、運搬・設置作業は2名以上で行なってください。また、人手による無理な作業を避け十分な性能のクレーンやリフトを使用してください。
- ワイヤは、所定の吊りボルト(アイボルト)に固定してください。吊りボルト以外の場所に固定して吊すと、破損し怪我をする危険があります。
- 作業時にロボットの下に入らないようにしてください。
- オプションの食品用ロボットジャケットを使用する場合において、ロボットジャケットをロボットに取付けたままジャケットの上からロボットを持ち上げて移動すると、ジャケットがずれてロボットが落下するおそれがあります。ロボットを別の場所に移動する際は、必ずロボットジャケットをロボットから取り外してください。
「作業規定」の作成と 作業者への徹底
ティーチングや保守点検などのために、ロボットの可動制限領域内で作業を行なう場合は以下の事項について「作業規定」を定め、作業者に徹底を図ってください。
- 起動方法・スイッチの取扱方法等の作業において必要となるロボットの操作の手順
- ティーチングなどの作業を行なう場合のロボットの速度
- 複数の作業者に作業を行なわせる場合の合図の方法
- 異常時に作業者がとるべき異常の内容に応じた措置
- 非常停止装置等が作動しロボットの運転が停止したあと、これを再起動させるために必要な異常事態の解除の確認・安全の確認等の措置。
- 上記以外に、ロボットの不意の作動による危険または、ロボットの誤操作による危険を防止するために必要な次に掲げる措置
- 操作盤への表示
- 可動制限領域内で作業を行なう作業者の安全確保
- 作業位置・姿勢の徹底 ロボットの動きが常時確認でき、かつ異常時にすぐ退避できる位置および姿勢
- ノイズ防止対策の実施
- 関連機器の操作者との合図の方法
- 異常の種類および判別方法
「作業規定」はロボットの種類・設置場所・作業内容に応じた適切なものとしてください。
「作業規定」の作成にあたっては、関係作業者・設備メーカの技術者・労働安全コンサルタント等の意見を取り入れるように努めてください。
操作盤への表示
作業中は、当作業に従事している作業者以外の者が起動スイッチ・切り替えスイッチ等を不用意に操作することを防止するため、ティーチングペンダントや操作盤等に、作業中である旨のわかりやすい表示をしてください。場合によっては、操作盤のカバーに施錠する等の措置を講じてください。
ハンドの安全な取り付けと使用方法
ハンド(エンドエフェクタ)の取り付け、使用の際には電源OFFやエアー、電源の変化によって危険が発生しないようにしてください。また、装置内部に残留しているエネルギーも考慮してください。
可動制限領域内で作業を行なう作業者の安全確保
ロボットの可動制限領域内で作業を行なうときは、非常時にただちにロボットの運転を停止することができるように、次のいずれかの措置を講じてください。
- ロボットの可動制限領域外でかつロボットの作動を見わたせる位置に監視人を配置し、監視業務に専念させて次の事項を行なわせてください。
- 非常の際にただちに非常停止装置を作動させる。
- 作業従事者以外の者をロボットの可動制限領域内に立ち入らせない。
- 非常停止スイッチ(ティーチングペンダント・ミニペンダントでは非常停止ボタン)をすぐ押せるように可動制限領域内の作業者に携帯させてください。
オプションの食品用ロボットジャケットを使用する場合において、ロボットジャケットの取り付け、取り外し、清掃、汚れの確認などでロボット可動範囲内に入る場合は、必ずロボットコントローラの電源をOFFにしてください。
ティーチング等の 作業開始前の点検
ティーチング等の作業を開始する前に次の事項を点検し、異常を認めたときは、ただちに補修その他必要な措置を講じてください。
- 外部電線の被覆または外装の損傷の有無
- ロボットの作動の異状の有無(作動時に異常な音、振動がないか)
- 非常停止装置の機能
- 配管からの空気または油漏れの有無
- ロボットの可動制限領域内またはその付近の障害物の有無
- 作業従事者は非常停止スイッチ(ティーチングペンダント・ミニペンダントでは非常停止ボタン)をすぐ押せるように携帯していること。
- 作業従事者以外の者が安全柵内にいないこと。
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