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CALSET
CALSETとは
コントローラが認識する位置情報と、ロボット本体の実際の位置の関係を較正することを、CALSETといいます。CALSETでは、各軸にあらかじめ決められた固定できる位置があり、その位置とエンコーダ値を対応させるデータ(CALSET値)を作成します。このとき軸を固定した位置をCALSET位置と呼び、CALSET位置が何度であるかを記録したデータがRANG値です。
CALSETデータは、ロボット1台ごとに異なります。
モータ交換やエンコーダのバックアップ電池が消耗しエンコーダ内の位置データが消滅したときには、CALSETが必要になります。
ロボットのCALSETデータはお客様にて管理してください。「プロジェクトのバックアップについて」を参考にして、定期的にCALSETデータをバックアップしてください。
出荷時のCALSET位置
VP-6242の場合
軸 |
CALSET位置 | |
---|---|---|
位 置 |
1軸 | プラス方向回転端(上から見て反時計方向端) |
2軸 | マイナス方向回転端 | |
3軸 | プラス方向回転端 | |
4軸 | プラス方向回転端(アーム先端側から見て反時計方向端) | |
5軸 | プラス方向回転端 | |
6軸 | CALSET治具によって設けたプラス方向回転端 | |
VP-5243の場合
軸 |
CALSET位置 | |
---|---|---|
位 置 |
1軸 | プラス方向回転端(上から見て反時計方向端) |
2軸 | マイナス方向回転端 | |
3軸 | プラス方向回転端 | |
5軸 | マイナス方向回転端 | |
6軸 | CALSET治具によって設けたプラス方向回転端 | |
CALSETの準備作業
CALSETを行なうときには、ロボットの各軸をメカエンドに押し当てるための動作スペースが必要です。第6軸にはメカストッパが無いので、CALSETを行なうときには、あらかじめCALSET治具を取り付ける必要があります。
- CALSET実行時はCALSETする軸をメカストッパ付近へ移動し、ブレーキ解除してメカストッパへ押し当ててください。VPシリーズは全軸がブレーキ付です。
- CALSETコマンドを実行すると、モータブレーキが解除され、ロボットが自重で動き始めますので、注意して作業を行なってください。
- CALSET完了後には、メカエンドに当たる前に、ソフトウェアリミットで停止することを、手動動作で確認してください。
- 自動運転にあたっては、始めは低速で運転し、安全を十分に確かめながら徐々にスピードを上げるようにしてください。速度を小さい値から少しずつ増やしていけば、調整が容易です。
- CALSET実施前に作成したプログラムの中には、CALSET後に位置が多少異なる場合があります。
- メカエンド変更時にRANG値を変更していない場合、CALSETはメカエンド変更部品を取り外して行なってください。
CALSETの手順
1
CALSETしたい軸のブレーキを解除してCALSET位置にします。
2
ティーチングペンダントにてCALSETを行ないます。
操作方法はティーチングペンダント操作ガイドの「CALSET操作メニューの表示」を参照してください。
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- このページに関連する情報
- 第6軸へのCALSET治具の取付け手順