ID : 1625
事前準備
電流制限機能を使用する前に以下の項目を実施する必要があります。
必須項目
先端負荷設定
先端負荷質量と負荷重心位置を正確に設定してください。使用条件中の先端負荷質量[g]、負荷重心位置X[mm]、負荷重心位置Y[mm]、負荷重心位置Z[mm]に使用するハンドやワークに対応した値を入力してください。ただし、ワークチャック、アンチャック等で質量変化する場合は、PayLoadコマンドを使用して設定を変更してください。
正確に設定されない場合、電流制限設定時にロボットが重力方向へ落下する場合があります。
重力補償設定(6軸ロボットの場合のみ)
電流制限時は、必ず重力補償を有効にしてください。有効でない場合は、エラーが発生します。重力補償を有効化するには、ペンダントで使用条件の重力補償有効無効設定を1に設定してください。
また、GrvCtrlコマンドにて重力補償を有効、無効に設定できますが、有効、無効切り替え時にロボットが微小動作する場合があります。ペンダントで使用条件の重力補償有効無効設定を1に設定し、初期化プログラム中でGrvCtrlを一度CALLして頂くことを推奨します。
場合によって実施する項目
重力補償補正
先端負荷質量設定値と実際の負荷質量のずれにより、重力補償値による重力バランスにずれが生じる場合があります。この場合、重力を受ける軸の電流制限設定値を小さく設定するとロボットが重力方向に落下する場合があります。
この場合もロボットの落下を防止する為、ロボット停止状態のトルクと重力補償トルクとを比較し、誤差分を補正する機能が重力補償補正機能です。重力を受ける軸の電流制限値を30%以下に設定する場合は、必ず重力補償補正を実施してください。ロボット停止状態でGrvOffsetを実行すると補正値を計算します。
ただし、重力補償補正値は、GrvOffsetコマンドを実行した姿勢の補正値です。
補正姿勢から大きく姿勢が変化する場合は、再度GrvOffsetコマンドを実行して
ください。
また、ロボットが接触等で外力を受けた状態でGrvOffsetコマンドを実行すると、補正値に誤差が生じます。外力(重力を除く)を受けない状態でGrvOffsetコマンドを実行してください。
偏差許容値設定
電流制限中に外力を受けると関節が力方向に回転します。よって、関節角度の偏差が増加し、エラーが発生する場合があります。この場合、Eralwコマンドにて偏差許容値を設定してください。偏差チェック機能は安全機能です。必要以上に範囲を広げないでください。
ID : 1625