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最適速度制御機能
ロボットの先端負荷や姿勢に応じて、最適な速度、加速度を設定する機能です。下表に示す4つのモードを選択できます。
最適速度制御のモード
モード | 設定内容 | |
---|---|---|
PTP動作 | CP動作 | |
0 | ロボットの負荷条件値により、PTP動作時の最高速度と最高加速度を設定します。 | ロボットの負荷条件値により、CP動作時の最高速度と最高加速度を設定します。 |
1 | ロボットの負荷条件値と、動作中のロボットの姿勢により、PTP動作時の最高速度と最高加速度を設定します。 | モード0と同じ |
2 | モード0と同じ | ロボットの負荷条件値と、動作中のロボットの姿勢により、CP動作時の最高速度と最高加速度を設定します。 |
3 | モード1と同じ | モード2と同じ |
モード0
工場出荷時のデフォルトのモードです。ロボットの負荷条件値により、PTP動作、CP動作時の最高速度と最高加速度を設定します。
設計時のサイクルタイムの計算は該当のロボット取扱説明書の「位置決め時間」の資料を参照してください。
モード1
ロボットの負荷条件値と、動作中のロボットの姿勢により、PTP動作時の最高速度と最高加速度を設定します。CP動作はモード0と同様です。
モード1を使用する場合
PTP動作の動作時間短縮が必要な場合、モード1に設定してください。
モード1設定時の動作時間は、マシンロック運転にてご確認ください。
モード1使用時の注意事項
- 動作中に過負荷エラーや偏差過大エラーが発生する場合があります。負荷率については、調整時にティーチングペンダントの過負荷予想値を利用して、確認してください。
エラー エラーコード(*は軸番号(1~8)) 過負荷エラー 832040B*、832040C*、832040D*、832040E* 偏差過大エラー 8440451*
- 過負荷エラーが発生する場合は、タイマや内部速度、加速度を設定し、モータ負荷を調整してください。
- 偏差過大エラーが発生する場合は、速度、加速度を調整してください。
- 動作速度により、パス軌道が20mm程度変化する場合があります。したがって、障害物近傍のパス動作は、障害物に干渉する可能性があるため、モード0で実行してください。
- 目標位置の付加軸オプションを使用して動作する場合、ユーザパラメータ225番「最適動作付加軸同期互換モード」の値で拳動が異なります。コントローラのバージョンがVer.2.4.0 未満と同じ拳動をさせたい場合、「1:Ver.2.4.0 未満」を設定してください。(この機能はVer.2.4.*から有効)
モード2
ロボットの負荷条件値と動作中のロボットの姿勢により、CP動作時の最高速度と最高加速度を設定します。PTP動作時は、モード0と同様です。
モード2を使用する場合
以下の2つの場合、モード2に設定してください。
- CP動作時の動作時間短縮が必要な場合
動作中に速度を自動的に低減する場合がありますので、動作時間は、マシンロック運転にてご確認ください。 - モード0またはモード1を使用すると、CP動作中に指令速度制限オーバエラーが発生する場合、モード0またはモード1設定時、CP動作時の軌道が特異点近傍や、動作範囲リミット近傍を通過する場合、指令速度制限オーバエラーが発生し、停止することがあります。この場合、モード2に設定すると、自動的に指令速度制限内に速度を低減し、エラーを発生せずに動作させることができます。
モード2使用時の注意事項
- 動作中に過負荷エラーが発生する場合があります。調整時にティーチングペンダントの過負荷予想値または、WINCAPSIIIのログ機能を利用して負荷率を確認してください。過負荷エラーが発生する場合は、タイマや内部速度、加速度を設定し、モータ負荷を調整してください。
- 動作速度により、パス軌道が20mm程度変化する場合があります。したがって、障害物近傍のパス動作は、障害物に干渉する可能性があるため、モード0で実行してください。
- CP動作時に、等速移動区間において、速度が変化する可能性があるため、等速移動を必要とする作業は、モード0かモード1で実行してください。
- CP動作時に指令加速度制限オーバエラー、偏差過大エラー、指令速度過大エラーが発生する場合があります。エラーが発生した場合は、内部速度、内部加速度にて速度、加速度を調整してください。また、高速動作時最大 5mm程度の軌跡ずれが発生する場合があります。動作近傍に障害物がある場合は、速度を下げて使用してください。
エラー エラーコード(*は軸番号(1~8)) 指令加速度制限オーバエラー 8420404* 偏差過大エラー 8440451* 指令速度過大エラー 8420408*、8420409*、842040A* - 特異点近傍で動作速度が低下中に瞬時停止させた場合、瞬時停止時間が延びる場合があります。ただし、瞬時停止距離は変わりません。
モード3
PTP 動作時はモード1、CP 動作時はモード2 と同様に動作します。
ロボットによる制限
XR、SCロボットおよびMC8ではモード0、2のみ設定可能です。
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- 設定が必要な使用条件
- 設定にあたって
- 最適速度制御機能の設定方法