ROTATEH
(ステートメント)

アプローチベクトルを軸とした、回転動作を行ないます。

ROTATEH [@<パス開始変位> ]<アプローチベクトル回りの相対回転角>[,<動作オプション>][,NEXT]

アプローチベクトルを軸として<アプローチベクトル回りの相対回転角>分、手先を回転します。
<アプローチベクトル回りの相対回転角>の単位は度(DEG)です。
ただし、回転角は「-180°< 回転角 < 180°」で指定してください。
<パス開始変位>の値は指定座標(ポーズ)を中心とした球の半径で、動作指令値がその中に入ると次の制御へ移ります。mm単位で指定します。パス開始タイミングを変えるための目安となる数値であり、アーム先端がその中に入ったときに次の制御へ移るわけではありません。
省略するとデフォルト値@0として処理します。
@0とすると、エンド動作で動きます。
@Pとすると、パス動作で動きます。
@Eとすると、エンコーダ値によって目標位置への到達を確認し、次の動作に移ります。
<動作オプション>にはSPEED、ACCEL、DECELがあります。
動作オプション
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意味
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---|---|
SPEED(またはSと表記)
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移動速度を指定します。意味はSPEED文と同じです。
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ACCEL
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加速度を指定します。意味はACCEL文と同じです。ただし、減速度の指定はできません。減速度の指定はDECEL文を使ってください。
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DECEL
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減速度を指定します。意味はDECEL文と同じです。
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<NEXTオプション>を付けると、ロボットの動作完了を待たずに次の非動作命令に続きます。ただし、以下の命令は、ロボットの動作完了(パス開始)まで実行待ちになります。
ロボット動作命令(CHANGETOOL、CHANGEWORK、SPEED、JSPEED、ACCEL、JACCEL、DECEL、JDECEL)、最適可搬質量設定ライブラリ(aspACLD、aspChange)、アーム動作ライブラリ(mvSetPulseWidthなど)
また、動作オプションと併用した場合、NEXTオプションは無効になります。<NEXTオプション>を付けた場合、ステップ停止を実行すると、次の動作命令実行待ちの場合は、その動作を終了後に停止します。したがって、停止までの移動が長くなりますので注意してください。
また、ティーチチェックモードのときは、NEXTオプションは無効になります。

ROTATEHステートメントは、MOVEステートメントによって書き換えることができます。ROTATEH,[<パス開始変位>]<回転角>[,<動作オプション>][,NEXT]のROTATEステートメントをMOVEステートメントで書くと、以下のようになります。
MOVE L,[<パス開始変位>]<現在位置>+(0,0,0,0,0,<回転角>) H[, <動作オプション>][,NEXT]
例:
ROTATEH @P,F1 'MOVE L,@P PO+(0,0,0,0,0,F1) Hと同じ:POは現在位置

DEFSNG FF1=50
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'相対回転角を50度とします。
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TAKEARM
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'ロボット制御権を取得します。
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MOVE P,P1
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'P1点へPTP移動します。
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CHANGETOOL 1
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'TOOLの1を有効にします。
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ROTATEH @50 FF1
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'パス開始変位を50、相対回転角をFF1とします。
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CHANGETOOL 0
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'TOOLを0にします。
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